定期健診・セルフケア・歯科ドック… 口腔健康維持と集患に繋がる「予防歯科」の重要性
2021年6月3日
昨今、虫歯を未然に防ぐ「予防歯科」の大切さが広く理解されるようになってきました。
今回は、予防歯科への取組みや、患者への周知の方法などについて解説します。
予防歯科の重要性を患者に周知する
厚生労働省が過去に行った調査では、
将来的に需要の増加が予測される歯科医療分野として「予防歯科」が最上位にランクインしていました。
歯の治療中心ではなく、口腔機能の維持・向上や、疾患等の予防、重症化の予防などへの取組みが歯科医院に求められてきているのです。
また、高齢になっても歯の喪失が少なく、自分の歯でよく噛めている人は
・生活の質や活動能力が高い
・運動・視聴覚機能に優れている
という研究データがあります。
そのため、定期的に歯のメンテナンスを行い歯の健康を保つことは患者さんにとっても良く、
歯科医院にとっても継続的な来院と診察ができるので双方に大きなメリットがあります。
では、予防歯科を目的に来院してもらうにはどのように告知していったらよいでしょう。
まずは、パンフレットや医院のサイトなどで、予防歯科の必要性やメリットを周知していきましょう。
たとえば
・将来的に歯を失うことによる健康への影響
・QOLの低下
・う歯になると治療はできても元に戻るわけではないこと
・歯科疾患の治療の大変さ(かかる日数、治療前後の痛み、治療期間中の不便さ)などについて、
イラストを交えるなどしてわかりやすく表現する
等は予防歯科の重要性のアピールになります。
院内に予防歯科のポスターを掲示したり、
治療に訪れた患者さんに予防歯科の大切さを説明し、定期的なメンテナンスを促したりするのも効果的でしょう。
セルフケアの指導と歯科ドックの実施
予防歯科においては、定期検診のほか、日常のセルフケア指導も欠かせません。
来院した患者さんに直接ケアの方法を指導するのはもちろん、
近年はYouTubeなど動画投稿サイトを活用して、セルフケアのやり方を伝えている歯科医師も増えてきています。
YouTubeを通じて歯科医自身の考え方を患者と共有できるうえに、
歯科医院の利用者のすそ野を広げることにも繋がりますので、
向き不向きはあるかもしれませんが、検討してみてもよいかもしれません。
また、近年では、予防歯科の一環として「歯科ドック」を実施している歯科医院も増えてきています。
内容は医院によってさまざまですが、
むし歯や歯周病検査のほか噛み合わせの診断や顎関節診断、咀嚼能力の調査、
口臭検査などや、場合によっては口腔がん検査やCT撮影などを行うこともあります。
より細かな歯科疾患の芽を摘むことが期待でき、口腔内の健康維持について、
より個々の生活に即したアドバイスが可能となります。
予防歯科に力を入れることは歯科医院の強みの一つになりますし、
健康意識が高まってきている昨今において、口腔内にトラブルを抱えていない層の集患にも繋がりやすくなることでしょう。
高齢者の医療費問題など社会的な要請もあり、今後、予防歯科のニーズはますます高まっていくものと思われます。
自院の予防歯科の取組みについて、一度見直してみてはいかがでしょうか。
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