お客様を離さない!飲食店メニューの値上げ策

お客様を離さない!飲食店メニューの値上げ策

2023年2月9日

新型コロナウイルスの影響による行動制限や外国人観光客の入国規制も少しずつ緩和され、
最近では飲食業界もかつての賑わいに近づきつつあります。
しかし、今度は原材料の価格高騰や円安といった新たな危機が押し寄せています。

こうした状況下では、コスト削減の限界を感じていたり、
値上げによる客離れを心配していたりといった飲食店オーナーも多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、メニューを値上げする際に起こる客離れの仕組みと、
その防止策としてできることについて説明していきます。

 

“値上げをしない”はもう難しい状況に

 

現在、小麦やコーヒー、牛肉といった輸入品のみならず、国産品の値上げも目立ってきています。
加えて、エネルギー価格や物流コストについても高騰・高止まりしている状況です。
ここに、円安による影響が飲食業界にさらなる追い討ちをかけているのです。

 

東京商工リサーチによれば、2022年1月〜11月の間に、
大手外食チェーン122社のうちの約7割近くにあたる82社がメニューの値上げを発表しています。
また、帝国データバンクでは、
2023年4月までに値上げが予定されている食品が既に7,000品目を超えると発表しているのです。

 

飲食店において、仕入れ価格が高騰すればそれだけ原価率が上昇します。

世界的なインフレや昨今のウクライナ情勢など、
今後の見通しが立たないなかでは、原価率の上昇は避けられず、
メニューの値上げは致し方ないといえるでしょう。

 

顧客満足度と値上げの関係性

 

では、実際に値上げを行うとして、
それを納得してもらいながら客足を繋ぎ止めるにはどうしたら良いでしょうか。
まず、値上げをする際に考えなくてはならないのが“顧客満足度”です。

株式会社MS&Consultingの調査によれば、
飲食店がメニューを値上げした際に顧客が「価格が高い」と感じるのは、
現在の支払いに対して平均で12.5%の値上がり幅だという結果が出ています。

 

しかしおもしろいことに、こうした平均値以下の値上げ幅であっても、
顧客満足度が低い場合には「価格が高い」と感じられてしまうというデータも存在するのです。

同調査において、顧客満足度に関するアンケートで「もう来ない」と回答した顧客は、
平均してたった1.7%の値上げ幅でも「価格が高い」と感じたと回答しています。

一方で「また来る」と回答した顧客満足度の高い顧客は、
16.1%の値上げ幅までは「価格が高い」と感じませんでした。

 

この結果から、値上げに対する顧客の受け止め方は、単純な金額の上げ幅だけではなく、
顧客満足度の影響を大きく受けていることがわかります。
そのため、接客やサービス、メニュー展開など価格以外の部分で、しっかり顧客満足度を上げる工夫が必要なのです。

 

事業全体の利益から逆算する方法も

 

では次に、顧客満足度を上げることをまず前提として、
原価率だけではなく事業全体の利益を踏まえた値上げの工夫について考えていきましょう。

 

飲食店の原価率は30〜40%が一般的であり、
これに客単価や回転率を組み合わせて提供価値を決める飲食店が多いとされています。
今回はここに広告宣伝費や販売促進費などを加えてサービス展開ができるかを検討してみましょう。

 

まず、広告宣伝費とは本来、メディアやインターネット、看板やチラシなどで行うPRの為に使用される費用を指し、
不特定多数の人に向けて店舗の名前や商品を知ってもらうための取り組みに関わるものです。
今回ご紹介するのは、ここにかかる費用を食事代の中に組み込み、
注文されることで宣伝に変わる話題性を生み出す工夫です。

 

具体的には、普段取り扱わないような高級食材を使用したり、
ある1部の商品のみを値上げせず、人数や期間を指定した無料・割引キャンペーンを展開するといった取り組みです。

こうした取り組みがSNSや口コミによって拡散されることで、
メディア等への露出へつながり、本来必要な広告費用よりも結果的にコストが抑えられる可能性があるのです。

 

こういった施策は1皿あたりの原価率ではなく、
事業全体の利益から逆算して考えることで展開が可能になりますが、注意も必要です。

キャンペーンを行う際には、提供数や実施日数の設定を慎重に行う必要があります。
あくまでも広告費として許せる範囲内に留めておかなくては、大きな赤字に繋がったり、
店のイメージが安売りだと思われてしまったりするケースへつながります。
費用とそれに対する宣伝効果を細かに確認しながら、全体的なバランスを見て予算を設定していきましょう。

 

また、広告宣伝費と類似した販売促進費というものも存在します。
市場開拓や競合との差別化を図る為にノベルティを作成したり、
イベントを開催したりする費用を指し、広告宣伝費よりもさらに売り上げに直結させる目的で使われるものです。

他にも、支払い金額の一部を割引券としてキャッシュバックしたり、
客足の少ない曜日のチャージ料金を半額にしたりするサービスなどを行っている店舗もあります。

 

これらは再来店を促しつつも、メニューの値上げと併用しやすい取り組みです。
仮にうまくいかなくとも中止の判断がとりやすいため、気軽に挑戦できる方法ともいえるでしょう。

しかし今回ご紹介した内容は、すでに試したという飲食店も多いかも知れません。
ですが、1度試したから終わりにするのではなく、
値上げラッシュが続くなかで魅力的なサービスを提案し続けることは、
リピーターやコアなファンをつくる上で必要不可欠でもあるのです。

専門家のアドバイスなども取り入れつつ、さらに自店で工夫できる余地がないかを考えていきましょう。

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