公正競争規約が改正!気をつけるポイントとは
2022年12月29日
公正競争規約(表示規約)とは、不動産広告に関する規約であり、
内閣総理大臣および公正取引委員会の認定を受けている自主規制ルールです。
そして、『不動産の表示に関する公正競争規約(教示規約)』と『表示規約施行規則』が今回改正され、2022年9月1日より施行されました。
この改正によって規則がより強化された部分と、反対に緩和された部分があるので注意が必要になってきます。
そこで今回は、公正競争規約の改正ポイントについて、いくつか紹介していきます。
【特定事項の明示義務】はさらに厳しく
まず、今回の改正で規制が強化されたルールの中には、建設業にも関係する特定事項の明示義務があります。
これまでは、土地が擁壁などに覆われていない崖の上ないし下にあるときには、その旨を明示する必要がありました。
今後はこれに加え、建物を建築する場合に制限が加えられている場合には、その内容もあわせて明示することが定められました。
(規則第7条第11号)
たとえば、何らかの制限によって建物を鉄筋コンクリート造りにする必要がある場合には、
“建築の際には建物の主要構造部分を鉄筋コンクリート造にする必要があります”といった但し書きを付け加える必要があるのです。
明示する内容は物件によって異なるため、広告を掲載する不動産会社からどのように記載すれば良いのかと
アドバイスを求められる可能性も高まるでしょう。
そのほかに規制が強化されたルールにはこのようなものがあります。
・販売戸数が2以上の分譲物件では、最も近い住戸の徒歩所要時間に加え、最も遠い住戸の所要時間も表示する
・通勤時の所要時間が平常時を著しく超える場合には、朝の通勤ラッシュ時の所要時間を明示する
・乗り換えを要するときにはその旨を明示し、乗り換えに概ね要する時間を所要時間に含める
・マンションやアパートの起点は建物の出入口とする
・交通の利便については物件から最寄駅までの徒歩所要時間を明示する
規制の緩和されるルール紹介
一方で、本改正によって規制が緩和されたルールにはこのようなものがあります。
・物件名称の使用基準の緩和
→海(海岸)や湖沼、河川の岸もしくは堤防から直線で300m以内に物件がある場合、
これらの名称を使用することが可能に。また、街道に物件が面していない場合にも、
直線で50m以内にあればその名称を使用することができるようになります。
・未完成の新築物件の外観写真使用について
→建物が未完成であったとしても、以下の条件に該当する場合には他の建物の外観写真を引用して使用することが可能に
①その建物の施工者が過去に施工した建物である
②構造、階数、仕様が同一である
③規模、形状、色等が類似している
ただし上の条件を満たす場合でも、他の建物の写真を大きく掲載するなどして、
それが取引されるたてものであると誤認されるような表示は禁止されていますので注意しましょう。
・公共施設・商業施設の表示方法の緩和
学校などの公共施設や、スーパーなどの商業施設を表示する場合、
今までは物件からの道路距離を記載するのがルールでしたが、今後はこれに加え徒歩所要時間の表示も認められるように。
スーパーまで300m(徒歩3分)といった表記が可能になります。
二重価格表示ルールの明確化
緩和されたルールの中でも特に注目なのが、二重価格表示ルールの明確化です。
そもそも二重価格表示とは、値下げなどによって販売価格が変わる際に、旧価格と新価格の両方を記載することを指します。
そして今回の改正では、二重価格表示の要件として新設を含む以下の5つが明記されました。
①過去の販売価格の公表日および値下げした日を明示すること
②過去の販売価格は値下げの直前の価格であって、値下げ前2ヶ月にわたり公表していた価格であること
③値下げの日から6ヶ月以内に表示すること
④過去の販売価格の公表日から二重価格表示を実施する日まで、物件の価値に同一性があること
⑤土地または建物について行う表示であること
【表示例】
販売価格3,000万円(旧価格公表日:2022年8月1日)
→販売価格2,800万円(新価格設定日:2022年10月5日)
今回ご紹介した内容以外にも、本改正によって強化・緩和されたルールがあります。
もっと詳しく知りたい場合には、不動産公正取引協議会連合のWEBサイトにて1度ご確認ください。
※不動産公正取引協議会連合HP:https://www.rftc.jp/koseikyosokiyaku/
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