『ウッドショック』っていったい何?建設業界への影響と今後について
2021年12月16日
新型コロナの影響の1つとして、世界的な木材不足と価格の高騰が大きな問題となっています。
この価格高騰はオイルショックになぞり『ウッドショック』と呼ばれ、
木材の多くを輸入に頼っている日本にも大きな影響を与えています。
今回は、建設業界にとっても大きな問題であるウッドショックとその影響について説明していきます。
アメリカから世界へ広がるウッドショック
ウッドショックのそもそもの原因はアメリカ政府が低金利政策を行ったことによる
住宅建築需要の増加だといわれています。コロナの影響で落ち込んだ住宅需要を立て直す目的でしたが、
結果的にはコロナによって自宅で過ごす時間が増えたことも重なり大きな需要を生むこととなりました。
住宅建築の需要が急激にそして大量に発生したことにより建築用の木材の需要も増え、価格の高騰がおこってしまったのです。
日本においては、日本銀行の発表した企業物価指数をみてみると
木材・木製品・林産物の価格が2021年3月より急激に上昇しているのがわかります。
2015年を100と置いた指数においては、2021年9月の集成材が237.7、製材が236.7となり2倍をゆうに超える数値となっています。
日本は木材の多くを輸入に頼っていること、
国産の木材も木ゆえにすぐに増産できないことから日本におけるウッドショックは長期化する見通しです。
建設業界での影響
建設業界では、当初の見積もりよりも着工時の木材価格が高騰してしまったために
建築のコストが上昇してしまう事態が多く発生しています。
発注者の再検討にも時間がかかることで、施工スケジュールが遅れる、
建築そのものの価格が高くなることで契約が不成立になるなど、様々な面から利益の低下につながっています。
木造の平家などの木材を多く使用する建物や、大規模な公共施設の施工への影響は特に大きく、
建材だけにとどまらず足場や型枠用の木材すら不足している状態です。
これを受けて国内では国産材の需要が高まっています。
しかし、現在の国産木材はすでに輸入材のあおりを受け価格が高騰。
林野庁が国産の木材供給を強化すべく、
通常の2倍のスピードで育つ樹木を2023年度にも実用化すると発表しているものの、
現在のウッドショックを解決するにはあまりに時間がかかってしまいます。
ウッドショックのこれから予想
今回のウッドショックは長期化の見通しと上で述べたものの、
実はアメリカではコロナが落ち着いたことで消費が多方面へシフトし、現在は木材価格も下降傾向にあります。
しかし、中国では住宅需要はいまだ高いことに加え住宅以外にも多く木材を使用している点や、
木材輸入時に使用するコンテナ船不足による輸送費の高騰などウッドショックを
深刻化させている要素は残ったままであるのも現状です。
建築コストを抑えるために設計の変更をするのか、はたまた高騰した分の上乗せコストを顧客に負担してもらうのか。
会社によって使用木材もことなり、さまざまな事情はあるかと思いますが、
日本では海外の動向によって大きな価格変動が起こってしまいます。
今後しばらくは業界や木材価格の動向をしっかりチェックしながら、自社に必要な対策を講じていく必要がありそうです。
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