課税される人とされない人がいる?個人事業税って何?
2020年12月15日
「個人事業税」ってご存じですか?
個人事業主の方でもこの税金を徴収される人とされない人がいます。
今回は「建設業で個人事業税がかかるケース」についてご説明します。
課税対象となる法定業種とは?
個人事業税は、地方税の1つで、課税対象となる業種は地方税法等で定められた70業種のみです。
そして、実際に個人事業税を納めることになるのは、所得が年間290万円をこえる場合となります。
(年間290万円の事業主控除が認められているため)
また、営業期間が1年に満たない場合は、
月額割でひと月当たり242,000円×事業を行った月数分
が控除額となります。なお、個人事業税を算出する際には青色申告特別控除は適用されません。
建設業は「請負業」にあたることがある
先ほど、個人事業税の課税対象は法律で定められた70業種のみと述べました。
この70業種は第1~第3まで3つに区分されており、
また、区分に応じて異なった税率(3~5%)が定められています。
この70業種のなかに「建設業」はありませんが、
第1種事業の「請負業」(税率5%)に該当することがあるのです。
たとえば、神奈川県の場合、以下の4つの要件を全て満たす場合は請負業に該当し、
個人事業税の対象となるとしています。
・営業の範囲に属するものであること
・資本的経営を行っていること(=機械・事務設備などがある)
・仕事の計画及び遂行について独立性を有すること
・危険負担を有すること
https://www.pref.kanagawa.jp/zei/kenzei/a001/b004/002.html
ただし、建設業においては、
現場監督の指揮監督命令を受けて作業をするケースも多々あります。
この場合は事業所得に該当しない可能性もあり、
そうなると個人事業の請負業にも該当しないことになります。
国税庁の通達において、とび職などの所得区分は
請負契約もしくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、
または、雇用契約もしくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定する
としており、その区分が明らかではないときは実態に基づいて判断されます。
つまり、大工や左官、とび職などは一般的には請負業として個人事業税の対象となりますが、
契約内容の実態が雇用契約に準じると判断されたときは、個人事業税の対象から外れる可能性があるのです。
個人事業税の徴収は都道府県でバラつきもある
個人事業税の課税対象かどうかの判定は納付先の都道府県によりバラつきがあります。
「個人事業税の対象となる請負業」と認定するかどうか判定が難しいときには、
都道府県税事務所から照会文書が送られてくることがあります。
照会文書には
・仕事の内容
・事務所の有無
・機械設備の有無
・請けた仕事を外注に出しているか
・契約先は複数か
…などの質問に答える欄があり、この回答をもとに課税対象かを判定されることになります。
個人事業税の対象となる法定事業に当てはまるかどうかは、実態をもとに判断されるのです。
そのため、建設業においても仕事内容によって課税される人もいれば、
そうでない人もいることを知っておきましょう。
最後に、個人事業税の運用は管轄の都道府県で異なりますので、
詳しく知りたい場合は管轄の都道府県税事務所に問い合わせてみるとよいでしょう。
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