「一生自分の歯」が実現!…するかも?歯の再生治療
2020年11月17日
京都大学の山中教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことによりその名が広く知れ渡ったiPS細胞。
iPS細胞は病気やケガなどで失った臓器や組織を再生し、元通りにしようとする再生医療の研究に大きな貢献を期待されています。
失った自分の一部が再生される。それは夢のような話ですが、歯も例外ではないのです。
加齢で歯を失う人は少なくありません。
今は入れ歯やインプラントなどの施術がありますが、
歯の再生治療が実現することで一生「自分の歯」で食事を楽しめるようになることは多くの人が希望することでしょう。
今回は、歯科の再生治療についてご説明します。
歯科治療の概念がくつがえる、歯科の再生治療
自分の歯を使用して行う再生治療は現在のところ主に以下の2種類があります。
・歯周組織再生療法
・自家歯牙移植
歯周組織再生療法は、歯周病で溶けてしまった歯の周りの組織に対して用いられる治療法で、
GTR(組織誘導再生)法やエムドゲイン法といった方法があります。
自家歯牙移植は、親知らずや乳歯など、以前に抜いた自分の歯を使って移植する方法で、
自分の歯なので拒絶反応の危険性がほとんどないのが特徴です。
現在すでに、乳歯や親知らずなどの歯髄の幹細胞を冷凍保存しておく「歯のバンク」が登場しており、
近い将来歯の再生治療はとてもポピュラーになっていく可能性があります。
目指せ!8020!
歯科治療の基本は、“なるべく多くの歯を残す”ことにあります。
自身の歯がたくさん残っているほど、元気で長生きする傾向があり、
逆に歯を失っている高齢者は認知症や要介護のリスクなどが高くなっていることがわかってきているからです。
「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という
8020運動を厚生労働省・日本歯科医師会が推進しているとおり、
歯の健康は健康寿命にも深く関わるポイントと考えられています。
歯の再生治療が普及すれば、失った自分の歯を再び健康な歯として取り戻すことも夢ではありません。
お年寄りが元気な明るい社会であるため今後、歯の再生治療は重要な役割を担っていくでしょう。
ぜひ、再生治療への取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。
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